MENU

ブログ

Blog

理学療法士による治療の重要性 ~ハイドロリリースと手のコラボレーション~


みなさんこんにちは。
異常な暑さが去って、ようやく一息つく涼しさになってきましたね。朝は少し肌寒さを感じる時期になりました。

さて、当院に理学療法士さんがやってきて早くも2か月近くがたとうとしています。
療法士さんの人柄と、治療の確からしさのおかげで、患者さんからも重宝がっていただき、本当によかったなと思っています。

当院の疼痛治療の大きなテーマとして、エコーガイド下のハイドロリリースを掲げております。そして、開業以来、何とかハイドロリリースに理学療法を組み合わせて診療していけないか、体制を整えようと腐心してまいりました。
なぜ、それほど理学療法に執心するのか。


わたしが理学療法士による治療にこだわる理由は、従来の投薬や物理療法、さらにはハイドロリリースをもってしても、医師として私ができる患者さんへの治療介入に限界を感じているからなのです。

医師の治療だけだと、治療は注射と投薬が中心で、あとは機械による物理療法(いわゆる電気治療)になってしまいます。その場合、多くの腰痛や、四十肩五十肩、股関節痛に対しては今一歩決め手に欠く感じがして、治療が届いていないように思います。

あとは患者さんに生活習慣とストレッチや体操を指導することになりますが、痛みのある患部やその周辺を十分に動かさないと、慢性の痛みに関しては改善につながりません。

理学療法士は、その部分に重点的に介入ができます。動きの悪くなった関節や、筋肉、靱帯を徐々に動かして可動性を獲得させる(モビライゼーション)ような治療を施していきます。医師だけで提供できる医療
問題点を診断し、薬剤を内服(飲み薬)、外用(シップなど)、注射(局所注入)し、大きな範囲では機械による物理療法で血流を改善したりほぐしたりして、小さな範囲では理学療法士が手によって調整する。
このような治療スタイルが、町のクリニックで提供できる最大限の治療と考えています。

当院ではエコーを最大に活用した診断とハイドロリリース手技に基づき四十肩、五十肩(肩関節周囲炎)治療を行っていますが、こちらも理学療法士による治療と合わせることによってこれまでの治療の限界点を超えることが可能になりました。
ハイドロリリースに関しましては、HP内やブログでもお示ししておりますが、簡単に申し上げますと、慢性疼痛のある部分では筋肉同士や神経と周囲組織が癒着していることが多く、液体をその部位に注入することで癒着を剥離し疼痛が軽快すると考えられています。したがって、問題の部分の癒着をはがして、可動性を確保することが大変重要になります。何度も繰り返すことになりますが、癒着を注射ではがすのと人の手ではがすことを両方行うことで強い相乗効果を生み出すことが可能になるわけです。

肩関節の患者さんの治療の流れとしては、まずは診察室で肩の機能や状態を徒手検査とレントゲン、エコーで調べた後に、ハイドロリリースと患者さん自身のストレッチのみで治療を開始します。これだけで解消してしまわれる方が大変多いのですが、中には肩関節の癒着が強い方も少なからずおられて、改善の程度を見ながら理学療法士の治療が並行して始まります。
治療の目標としては、まずは日常生活をある程度問題なく送れる程度に改善することを目指しますが、運動をされていたり、ダンスなどで大きな可動域が必要となる方がおられたり、またお仕事で十分な肩関節の運動が必要とされる方もおられ、その用の場合には、肩の手術をする前にできる限り私たちのクリニックで治療の限界に臨むことにしております。

大部分の腰痛症、臀部痛では、筋肉の拘縮と、骨格のアライメント(並び)の不整(よく、骨盤のゆがみなどと表現されているのでしょうか、一般には)が原因となっていますが、ここでもハイドロリリースと理学療法士のコラボレーションは必須となってきます。トラブルの中心となっている関節や、筋肉・腱の付着部をハイドロリリースし、周辺のモビライゼーションを手によって行うことで、理学療法だけでも、ハイドロリリース単独でも到達できない治療域へ達することが可能になります。
腰痛のある患者さんの、腰痛の理由は本当に多種多様で、骨格が関係しているもの、筋肉に理由があるもの、骨格が筋肉や神経に影響を与えているもの、背骨の周囲の筋肉や靱帯、その他の結合組織が外傷や加齢によって弱くなったために神経やその周囲組織を傷害して起きるもの、構造的な変化は全く関係ないがんの転移や感染症もその理由になります。
まずは、レントゲンで骨格を確認しながら、身体診察とともに疼痛部位をエコーで確認しながら、疾患の状況を想定していきます。疼痛をきたす部位がターゲットでき、ハイドロリリースが適切な処置であると判断した場合はまず、注射でリリースを行うとともに、消炎鎮痛剤を投与し、理学療法士によって当該部位周囲のアライメントの調整やストレッチ、用手的な剥離などを行います。
骨格が関与している場合はコルセットのような装具を併用することもありますし、神経が関与していそうな場合は積極的にMRIを行って診断と治療につなげています。

腰痛とおなじくらいか、場合によってはまだ多いと思われるのが臀部痛です。
誰でも知っている腰椎疾患である腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症による腰痛や臀部痛の診断を受けておられる方が大変多いようおみうけします。また、有名な疾患である坐骨神経痛として認識されている方もたくさんおられます。いずれにしても、とてもしつこい痛みに悩まされている方がおおく、疼痛部位へのトリガーポイント注射を希望される患者さんもたくさんおられます。
臀部に疼痛をきたす異常としては、椎間板性の疼痛、椎間関節性の疼痛、脊柱起立筋のコンパートメント症候群、仙腸関節炎などがあり、これらの疾患は下肢の症状を伴う場合もよくあります。そのため、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症における神経障害と区別しづらい場合も多いため、その診断にひきずられて個々の異常が顧みられなくなってしまっている場合が多いように思います。


さらには、骨盤の上部に痛みをきたす上殿皮神経障害、梨状筋周囲に疼痛をきたす、上殿神経障害や梨状筋症候群など、臀部そのものに異常がある疾患もたくさんあります。いずれもトリガーポイント注射や、ハイドロリリースでの剥離と理学療法がセットで効果を示す疾患がたくさん存在しています。

腰痛、臀部痛や肩関節の異常だけでなく、変形性膝関節症や股関節痛、いわゆる肩こりにもハイドロリリースと理学療法のコンビネーションは威力を発揮します。

現在、理学療法士による治療は週のうち2日だけですが、漸次治療可能な日にち、時間を拡大してまいります。そして、ハイドロリリース+理学療法を診療時間内ならいつでも受けていただけるように、保険診療制度の面からも体制づくりを進めていく所存でございますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ