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ハイドロリリース
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ハイドロリリース

Hydro Release

ハイドロリリース

超音波診断装置(エコー)の進化がもたらした画期的治療法

超音波診断装置(エコー)の性能向上により、最新の装置を用いると筋肉、靭帯など比較的浅い部分にある構造物を鮮明に描き出すことが可能になってきています。体に無害で診察室で、まるで内科医の聴診器のごとく患部にあてて観察できるため当クリニックでは最新のエコーを2台(コニカミノルタSONIMAGE HS2とGE LOGIQePremium)開院当初から装備しました。レントゲンでとらえきれない微妙な骨折や筋肉、靭帯の障害もとらえることが可能になってきており、リアルタイムで画面をお見せしながら説明が可能になりました。この器械の長所を新しい治療法であるハイドロリリースに使用しています。

超音波診断装置1
超音波診断装置2

SONIMGE HS2(大阪府下導入2台目)

肩こり、腰痛の多くはその部分の組織同士がひっついて(癒着して)スムーズに動かなくなっているために痛みが生じていると考えられます。また、一部の神経痛などでも同様に神経と周囲の組織との癒着をはがすと痛みが軽快することも知られています。
癒着をはがすことで血の流れがよくなったり、神経に異常な刺激が入りにくくなったり、筋肉同士の滑りがよくなったりして痛みが軽くなると考えられています。このように癒着をはがして改善させる治療法を従来、筋膜リリースと呼んでいましたが、はがす方法として薬液を用いる場合を私も所属しています整形内科学会では様々な手技と混乱のないようにハイドロリリースと呼んでいます。
とりわけエコーを使って治療する方法をエコーガイド下ハイドロリリースと呼びます。エコーで痛みの原因になっている場所を確認し、エコーを見ながらその部分に的確に薬液を投入する治療法だからです。生理食塩水や低濃度の麻酔剤、ヒアルロン酸などの液体を注入して癒着をはがして、構造物同士の滑りを回復することで痛みや痺れを軽減することを目的としています。

ハイドロリリース治療

ハイドロリリースエコー画像

ハイドロリリース治療

ハイドロリリースエコー画像

三角筋 棘下筋膜リリース(注入前の白く重なった筋膜に薬液が注入され、注入後では上下の筋膜同士がはがされている)

肩こりや腰痛だけでなく、四十肩などで総称されている肩関節周囲炎に対しても、関節内注射に加えて周囲の筋膜や靭帯をハイドロリリースすることでより治療効果を高めることが可能になります。膝関節でも変形性関節症以外に、膝周囲の筋肉同士、筋肉の骨への付着部、筋肉や靭帯周囲の脂肪組織などに慢性的な痛みの原因を抱えている方も少なくありません。そのような場合にもエコーガイド下ハイドロリリースが有効なことがあります。
ハイドロリリースの効果は人それぞれで、数日から1か月近く有効な場合など様々です。回数を重ねて治療していきます。徐々に痛みが改善して、痛い部分を使うことが比較的苦にならないようになることを目指します。患者さん個々の幹部の状態は様々ですので、目標とする除痛に到達できないこともありますが、その場合はよくご相談のうえ、手術などを含む次の方法を提案させていただいております。

画像協力:Konica Minolta, Inc.